通勤・通学時間の平均ってどれくらい?ベストな街の見つけ方

そもそも通勤・通学時間の平均って何分?

インターネットで「通勤時間 平均」と調べると、「30分が理想」「平均は1時間」などさまざまな意見が見られます。では実際の平均通勤時間はどれくらいなのでしょうか。インターネット調査会社『 株式会社マクロミル 』が行った調査によると以下のような結果になっています。
データの結果は東京都内と大阪府内にわかれていますが、ここでは東京都内通勤者の割合を見ていきましょう。上のデータによると、「1時間程度」が20.1%と最多。次いで「40~45分」が15.9%、「50分~55分程度」は14.0%となっています。この調査によれば、東京都内で通勤している人たちの平均時間は1時間程度と言えるでしょう。

ところで、上の調査は「通勤」の平均時間の調査ですが、大学などへ「通学」する時間の平均はどうなっているでしょうか。独立行政法人日本学生支援機構が行った「平成26年度学生生活調査」によると、東京圏の大学生が下宿先やアパートから通学する際の平均時間は以下のようになっています。

※「平成26年度学生生活調査/独立行政法人日本学生支援機構」

割合がもっとも多いのは「11~20分」で32.7%。次いで、「0~10分」が28.3%、31分~60分が17.5%となっています。全体で見ると“30分以内“が77.5%になっており、実に4分の3以上の割合を占めています。実家から通っていない、つまりアパートやマンションを借りている学生の通学時間は30分以内が多いようです。

まとめると、通勤時間の平均は1時間程度、通学時間の平均は30分以内。これから部屋探しを行う人は、まずこの数字を目安に選んでみましょう。

仕事や学校の前にヘトヘト……。体力を奪われる満員電車を避けるには?

通勤・通学時間にかかる平均時間は把握できましたが、東京で電車通勤・通学をする場合には、特に注意すべきポイントがあります。それが満員電車。
先ほどのマクロミルの調査によると、東京への「通勤通学者」のうち86%が満員電車に乗っているというデータがあります。
そして、路線や時間帯によっては、乗車率がなんと200%近くになる場合もあります。国土交通省が発表した「東京圏における主要区間の混雑率」に詳細が載っているので、見てみましょう。

順位 路線名 区間 時間帯 混雑率
1 総武線 錦糸町→両国 7:34~8:34 199%
1 東西線 木場→門前仲町 7:50~8:50 199%
3 横須賀線 武蔵小杉→西大井 7:26~8:26 193%
4 小田急線 世田谷代田→下北沢 7:46~8:48 191%
5 中央線 中野→新宿 7:55~8:55 188%
6 田園都市線 池尻大橋→渋谷 7:50~8:50 184%
7 東海道線 川崎→品川 7:39~8:39 182%
8 総武線快速 新小岩 → 錦糸町 7:34~8:34 180%
9 千代田線 町屋→西日暮里 7:45~8:45 178%
10 京浜東北線 川口→赤羽 7:25~8:25 177%

※「東京圏における主要区間の混雑率(平成27年度)/国土交通省」

時間帯は出勤ラッシュのピークとなる7時半から9時の間に集中。また、特に都心へ走る上り列車での混雑が顕著であり、郊外から都心へ向かう路線の途中駅で驚くような混雑率となっています。

ちなみに、国土交通省が発表している混雑度の目安は以下のようになっています。

100% 座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる
150% 新聞を楽に広げて読める
180% 折りたたむなど無理をすれば新聞を読める
200% 体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める
250% 電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない

※「三大都市圏の最混雑区間における平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移/国土交通省」

上の表にある混雑率トップ10の区間では、体がふれあい相当圧迫感がある状態になっていることがほとんどです。また、このランキングに入っていない区間であっても朝の上り線はほとんど混雑しています。先述のマクロミルの調査によれば、以下のような結果が出ています。

東京都内の通勤者のデータに注目すると、「手・足は動かせるが、身体の位置は動かせないレベル」と「体の向きは変えられるが移動はできないレベル」を合せると過半数を超えています。
つまり、ランキングに入っていない区間であっても朝の上り線ではかなりストレスフルな通勤・通学になってしまうはずです。このような状況では電車に乗っているだけでかなりの体力を消耗してしまいかねません。
通勤・通学時間がピークの時間と重なる場合には、毎朝かなり辛い思いが待っていますから、これから住む街選びは慎重に行った方が良さそうです。
しかし、混雑する路線ほど総武線や中央線、田園都市線など都心に向かう主要なものが多いですから、避けても避けられない状況があることも事実です。そこで、有効なのが「必ず座席に座れる状況を作る」こと。特に各路線の始発駅から電車に乗ることです。当たり前ですが、始発駅であれば座れる可能性が格段にアップしますし、目の前の電車に座れなくても次の電車を待てばいいわけです。それでは、さっそく都内で主要な路線の始発駅を見てみましょう。

「5大・オフィス街」別!おすすめ路線~新宿~

ひとえに「おすすめ路線」といっても、勤務地によって大きく異なるため、主要なオフィス街がある「新宿・池袋・渋谷・丸の内・品川」に分けて見ていきたいと思います。
ここでは街選びの条件として「始発駅(途中始発駅も含む)・乗換なし・乗車時間が40分以内」の3つを設定したいと思います。ちなみに「途中始発駅」は、本来は始発駅ではないものの時間帯によっては始発駅になる駅のこと。また、先述した平均通勤時間は1時間ですが、これはいわゆるドア・ツー・ドアでの時間です。「家→駅」と「駅→会社」までの所要時間を各10分とすると乗車時間は40分以内となります。

早速、新宿から見ていきましょう。JR東日本が発表する各駅の「 乗車人員ランキング」で堂々の1位にランクインし、世界でもっとも利用者数の多い駅です。

なんと、その数は1日平均76万43人。巨大ターミナル駅ですから、乗り入れする路線も多数あります。そんな新宿駅に通勤するとして上記の3つの条件を満たすのはこちら。

路線 駅名 所要時間 始発
京王新線 笹塚駅 約6分
総武線 中野駅 約7分 ※途中始発駅
丸の内線 荻窪駅 約15分
総武線 三鷹駅 約22分
都営大江戸線 光が丘駅 約25分
中央線 武蔵小金井駅 約27分 ※途中始発駅
都営大江戸線 清澄白河駅 約32分 ※途中始発駅
埼京線 武蔵浦和駅 約36分 ※途中始発駅
小田急線 向ヶ丘遊園駅 約37分 ※途中始発駅

条件のなかでもっとも短いのが渋谷区にある笹塚駅。もっとも時間がかかるのが神奈川県川崎市にある向ヶ丘遊園駅です。

「5大・オフィス街」別!おすすめ路線~池袋・渋谷~

JR東日本の各駅の乗車人員ランキングにて2位に輝く池袋駅。「始発駅(途中始発駅)・乗換なし・乗車時間は40分」の条件を満たすのはこちらです。

路線 駅名 所要時間 始発
西武池袋線 豊島園駅 約13分
西武池袋線 石神井公園駅 約17分 ※途中始発駅
有楽町線 和光市駅 約20分
東武東上線 成増駅 約20分 ※途中始発駅
西武池袋線 保谷駅 約20分 ※途中始発駅
東武東上線 志木駅 約23分 ※途中始発駅
山手線 大崎駅 約25分 ※途中始発駅
西武池袋線 清瀬駅 約29分 ※途中始発駅
埼京線 武蔵浦和駅 約30分 ※途中始発駅
有楽町線 新木場駅 約32分

条件のなかでもっとも短いのが、練馬区にある豊島園駅。もっとも時間がかかるのは江東区の新木場駅です。

続いては渋谷駅です。各駅の乗車人員ランキング5位の巨大ターミナル駅です。

路線 駅名 所要時間 始発
副都心線 新宿三丁目駅 約5分 ※途中始発駅
山手線 池袋駅 約17分 ※途中始発駅
東急東横線 武蔵小杉駅 約23分 ※途中始発駅
半蔵門線 清澄白河駅 約25分 ※途中始発駅
りんかい線 新木場駅 約25分 ※途中始発駅
銀座線 上野駅 約28分 ※途中始発駅
銀座線 浅草駅 約32分
京王井の頭線 吉祥寺駅 約34分
半蔵門線 押上駅 約34分
東急東横線 菊名駅 約37分 ※途中始発駅
埼京線 武蔵浦和駅 約39分 ※途中始発駅
副都心線 和光市駅 約40分

条件のなかでもっとも短いのが新宿区にある新宿三丁目駅、もっとも時間がかかるのが埼玉県の和光市です。

「5大・オフィス街」別!おすすめ路線~品川・丸の内~

マイクロソフトやキヤノン、コクヨなどの本社があり、東海道線も通る巨大ターミナル駅品川。条件を満たすのは以下の駅です、

路線 駅名 所要時間 始発
京急線 泉岳寺駅 約2分
山手線 大崎駅 約4分 ※途中始発駅
京浜東北線 蒲田駅 約10分 ※途中始発駅
山手線 池袋駅 約30分 ※途中始発駅
京浜東北線 東十条駅 約34分 ※途中始発駅
京浜東北線 赤羽駅 約37分 ※途中始発駅

条件のなかでもっとも短いのは港区にある泉岳寺駅、もっとも時間がかかるのは北区にある赤羽駅です。

丸ビルや東京駅など、オフィスが密集する丸の内エリア。ここでは便宜上、東京駅で考えてみましょう。

路線 駅名 所要時間 始発
山手線 大崎駅 約14分 ※途中始発駅
丸の内線 池袋駅 約16分
丸の内線 新宿駅 約18分 ※途中始発駅
京浜東北線 東十条駅 約21分 ※途中始発駅
京浜東北線 蒲田駅 約23分 ※途中始発駅
京浜東北線 赤羽駅 約26分 ※途中始発駅
丸の内線 中野富士見町駅 約28分 ※途中始発駅
総武線(快速) 津田沼駅 約31分 ※途中始発駅
丸の内線 荻窪駅 約35分
京浜東北線 南浦和駅 約39分 ※途中始発駅

条件のなかでもっとも短いのが山手線の大崎駅、もっとも時間がかかるのが埼玉県の南浦和駅です。

各勤務地や各学校から電車で「40分以内」という条件だけでは、選択肢は無数に存在します。しかし、満員電車のストレスを緩和するために「始発駅(途中始発駅も含む)・乗換なし」という条件を加えることで、数は絞られ、かつ、よりよい部屋選びができるのではないでしょうか。
ある程度駅の目星がついたら、次は細かな駅の情報について調べましょう。なかでも、スマイティの「住みやすい街」を活用すると便利です。人口や相場の他に、治安や街のレビューなどをチェックすることが可能です。